Webフォントでサイトの印象は9割変わる。Google Fontsの選び方と表示速度への配慮

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「おしゃれなサイトを作りたいけれど、何から手をつければいいかわからない」 「自社のサイト、なんだか素人っぽさが抜けない気がする」

もし、あなたがそんな風に感じているなら、デザインの大掛かりなリニューアルを考える前に、まず見直すべきポイントがあります。

それは「フォント(文字の形)」です。

「たかが文字でしょ?」と思われるかもしれません。しかし、人間がWebサイトから受け取る情報の9割はテキストだと言われています。そのテキストをどんな「声色」で伝えるか。それを決めるのがフォントなのです。

この記事では、誰でも無料で使える「Google Fonts」を例に、Webフォントがもたらす劇的な効果と、プロが現場で必ず意識している「表示速度」という落とし穴について、専門用語をなるべく使わずに解説します。

教科書通りの設定だけでは見えてこない、現場のリアルなノウハウをお持ち帰りください。

Lalabyte 編集部
Lalabyte 編集部
はじめてでもやさしいIT屋さん

SE・Web制作・SEOを経て独立。現在は老舗商社のDX統括も兼務しながら、自身の事業として「HP制作」「マーケティング支援」「DXコンサル」「スキル教育」を展開しています。制作と発注の両面を知る強みを活かし、コードと数字を武器に、売上と効率を最大化する「事業を動かす仕組み」を提供します。

この記事でわかること

  • Webフォントと普通のフォント(デバイスフォント)の決定的な違い
  • サイトの印象が「9割変わる」と言える理由とメリット
  • 導入前に知っておくべき「表示速度が遅くなる」というリスク
  • Google Fontsを賢く使うための、具体的な速度対策

Webフォントとは?「自分の服」と「レンタル衣装」の違い

まず基本的なお話ですが、Webサイトで表示される文字には、大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか。

1つは「デバイスフォント」。もう1つが今回のテーマである「Webフォント」です。

デバイスフォントは「元々持っている普段着」

デバイスフォントとは、あなたのパソコンやスマートフォンに最初から入っているフォントのことです。Windowsなら「メイリオ」や「游ゴシック」、Macなら「ヒラギノ角ゴシック」、iPhoneにも独自の綺麗なフォントが入っています。

Webサイト側で特に指定がなければ、見る人の端末に入っているこれらのフォントが使われます。これは、例えるなら「お客様が元々持っている普段着で来てもらう」ようなものです。 メリットは、表示が非常に速いこと。服(フォントデータ)を取りに行く必要がないからです。

しかし、デメリットもあります。それは「見る人の環境によってデザインが変わってしまう」ことです。Windowsで見ている人とMacで見ている人では、全く違う雰囲気のサイトに見えてしまうことがあるのです。ブランドの統一感を大切にしたい企業にとっては、これは少し困った問題です。

Webフォントは「インターネット上のレンタル衣装」

これに対してWebフォントは、インターネット上のサーバーに置いてあるフォントデータを、サイトを表示するたびにダウンロードして使う仕組みです。

これは「こちらが用意した特別なレンタル衣装を、お客様に着替えてもらう」ようなイメージです。

最大のメリットは、WindowsだろうがMacだろうがスマホだろうが、インターネットさえ繋がっていれば、制作者が意図した通りの美しいデザインで表示できる点です。これが、サイトの印象を劇的に変える力となります。

(ここに、デバイスフォントで表示された味気ないサイトと、Webフォントでデザインされた美しいサイトの比較図解を入れるとわかりやすいです)


なぜ「9割変わる」のか? 現場で感じるメリット

私たちがクライアント様のサイトをリニューアルする際、フォントを変更するだけで、まるで別のサイトのように生まれ変わる瞬間を何度も目撃してきました。

「9割変わる」というのは決して大袈裟な表現ではありません。その理由は、Webデザインにおけるフォントの役割が非常に大きいからです。

フォントはサイトの「声色」を決める

例えば、高級な和食レストランのサイトで、ポップで丸っこい文字が使われていたらどうでしょうか。料理の写真は美味しそうでも、なんとなく「安っぽいな」「本当に美味しいのかな」と不安になってしまいませんか?

逆に、IT企業のサイトで、筆文字のような古風なフォントが使われていたら、「最新の技術を持っているのかな」と疑問に思うかもしれません。

フォントは、そこに書かれている文章の内容以前に、サイトが持つ「雰囲気」や「格」を直感的に伝えます。真面目な声で語るのか、親しみやすい声で語るのか。Webフォントを使えば、その「声色」を意図的にコントロールできるのです。

これが、ブランドイメージを正しく伝え、ユーザーの信頼を獲得するための強力な武器になります。


教科書には載っていない「表示速度」という落とし穴

ここまでWebフォントの魅力をお伝えしてきましたが、ここからは現場のプロとして、その裏側にある「リスク」についてもしっかりとお話しなければなりません。

Web制作の現場では、「Webフォントはおしゃれだけど、重いよね」という会話が日常的に交わされます。ここでの「重い」とは、サイトの表示速度が遅くなる、という意味です。

「着替えの時間」がお客さまを待たせてしまう

先ほどの「レンタル衣装」の例えを思い出してください。Webフォントを表示するためには、インターネット上からフォントのデータをダウンロードしてくる必要があります。

つまり、お客様(サイト訪問者)がページを開いた瞬間、裏側では「衣装部屋から服を取り寄せて、着替える時間」が発生しているのです。

特に日本語のフォントは、ひらがな、カタカナ、そして膨大な数の漢字が含まれるため、英語のフォントに比べてデータサイズが非常に大きくなります。インターネットの回線速度が遅い環境や、性能が高くないスマートフォンで見ると、この「着替えの時間」が長くなり、画面が真っ白なまま待たされたり、一瞬だけ別のフォントで表示されてからパッと切り替わる「チラツキ」が発生したりします。

Googleは現在、サイトの表示速度を検索順位の評価基準の一つにしています。見た目を良くするためにWebフォントを導入した結果、表示が遅くなってユーザーが離脱してしまい、検索順位も下がってしまっては本末転倒です。

これが、Webフォント導入における最大のジレンマであり、プロの腕の見せ所でもあります。


Google Fontsを賢く使うための「速度対策」

では、Webフォントは使わない方が良いのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。適切な対策を行えば、表示速度への影響を最小限に抑えつつ、美しいデザインを実現できます。

ここでは、無料で高品質なフォントが多数揃っている「Google Fonts」を例に、現場で実際に行われている対策をご紹介します。

対策1:必要な「ウェイト(太さ)」だけを選ぶ

Google Fontsでは、一つのフォントに対して「Thin(極細)」「Regular(標準)」「Bold(太字)」など、様々な太さが用意されています。

教科書的な解説では「全部チェックを入れて読み込みましょう」と書いてあることもありますが、現場では絶対にそんなことはしません。

なぜなら、太さの種類が増えれば増えるほど、ダウンロードするデータ量が増えてしまうからです。「レンタル衣装」の例で言えば、着もしないサイズの服まで全部取り寄せるようなものです。

通常は、本文用の「Regular(標準)」と、見出しや強調用の「Bold(太字)」の2種類、多くても3種類程度に絞り込むのが鉄則です。これだけで、データ量は大幅に削減できます。

対策2:「font-display: swap」で待ち時間をなくす

これは少し技術的な話になりますが、非常に効果的な方法です。CSS(スタイルシート)という設定ファイルに、たった一行、font-display: swap; という魔法の言葉を追加します。

これはブラウザに対して、次のような指示を出しています。

「もしWebフォントのダウンロードが間に合わなかったら、とりあえず手持ちの普段着(デバイスフォント)で表示しておいてね。レンタル衣装が届いたら、その瞬間にサッと着替えてくれればいいから」

この設定をしておくと、ユーザーはWebフォントの準備ができるまで、画面が真っ白な状態で待たされることがなくなります。一瞬フォントが切り替わる挙動にはなりますが、「何も表示されない」という最大のストレスを回避できるため、現在では必須の設定と言えます。

Google Fontsのサイトでコードを取得する際、最近はこの記述が自動的に含まれるようになっていますが、必ず確認するようにしましょう。

(ここに Google Fonts の画面でウェイトを選択している様子や、埋め込みコードの例のキャプチャ図解を入れるとわかりやすいです)

対策3:日本語フォントは「サブセット化」を検討する

これは上級編になりますが、日本語フォントを使う場合、最も効果が高いのが「サブセット化」です。

日本語のフォントファイルには、滅多に使わない難しい漢字まで全て含まれています。これを、Webサイトで実際に使う文字(例えば第一水準漢字まで、など)だけに絞り込んで、ファイルサイズを小さくする技術です。

「旅行に必要な服だけを選んでパッキングする」ようなイメージですね。

Google Fontsの日本語フォントは、ある程度自動的にこの仕組みが適用されるようになっていますが、より厳密にコントロールしたい場合は、専門的なツールを使って自前でフォントファイルを調整することもあります。ここまでやれば、表示速度の問題はほぼ解決できます。


【プロの視点】Lalabyteが教える

「失敗しない“Webフォント”の選び方・考え方」

私たちLalabyteが、Webサイトの制作や改善に携わる中で、
「ここを軽視すると、サイト全体が一気に素人っぽくなる」
と感じている要素があります。

それが、フォントです。

多くの方は、
「色やレイアウトを変えれば印象は良くなる」
「デザインをおしゃれにすれば何とかなる」
と考えがちですが、現場の感覚では順番が逆です。

フォントは、デザイン以前に“サイトの人格”を決めます。

どんなに構成が整っていても、
どんなに良い文章を書いていても、
フォントの選び方ひとつで、

  • 安っぽく見える
  • 信頼できなさそうに感じる
  • なんとなく読む気がしない

といった印象を、無意識のうちに与えてしまいます。

一方で、
フォントを適切に整えるだけで、

  • 文章が読みやすくなる
  • 情報が整理されて見える
  • サイト全体に「プロ感」が出る

という変化が起きるのも、私たちは何度も見てきました。

ただし、ここで一つ注意点があります。

フォントは「おしゃれかどうか」だけで選んではいけません。

特にWebフォントは、
使い方を間違えると「表示が遅くなる」「スマホでストレスが増える」
といった形で、ユーザー体験を大きく損ねてしまいます。

現場では常に、

  • このフォントは、このサイトの“声色”に合っているか
  • 情報量の多いページでも、目が疲れないか
  • スマホ表示でも、速度と可読性のバランスが取れているか

といった視点で判断しています。

Webフォントは、
「雰囲気を良くする魔法」でもあり、
「扱いを間違えると足を引っ張る要素」でもある。

だからこそ、
この記事では「おすすめフォント一覧」のような表面的な話ではなく、
なぜフォントがサイトの印象を9割左右するのか
なぜプロは表示速度まで含めて考えるのか
という、実務の感覚をベースに解説しています。

フォント選びに正解はありません。
ですが、失敗しにくい考え方は確実に存在します。

その視点を、この記事から持ち帰ってもらえれば幸いです。


まとめ

Webフォントは、Webサイトのデザイン性を高め、ブランドイメージを確立するための非常に強力なツールです。導入するだけで、あなたのサイトの印象は劇的に変わるでしょう。

しかし、その一方で「表示速度」という、ユーザー体験に直結するデリケートな問題も孕んでいます。「おしゃれだから」という理由だけで安易に導入すると、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。

大切なのは、メリットとデメリットの両方を理解し、適切な対策を講じた上で導入することです。

  • 自社のブランドイメージに合うフォントがわからない
  • Webフォントを入れたいけれど、サイトが重くなるのが心配だ
  • 実装してみたけれど、うまくいっているのか自信がない

もし、そのようなお悩みを抱えているのであれば、ぜひLalabyte(ララバイト)にご相談ください。私たちは、デザインの美しさと機能性の両立を目指し、あなたのビジネスに最適なWebサイト制作をサポートいたします。

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