未経験からWeb制作で稼ぐには?年齢の壁を超える「実務スキル」の磨き方

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WEB制作 実務スキル 年齢の壁 未経験

「Webデザインやプログラミングに興味があるけれど、今から始めても遅いのではないか?」 「スクールに通ったものの、結局案件が取れずに挫折してしまった」

30代、40代、あるいはそれ以上の年齢でWeb業界への参入を考えた時、誰もがぶつかるのが**「年齢の壁」「実務経験の壁」**です。

巷には「3ヶ月でフリーランスに!」「誰でも簡単に稼げる」といった甘い言葉が溢れていますが、現実はそう甘くありません。クラウドソーシングを見れば、低単価な案件に初心者が群がり、疲弊しているのが実情です。

しかし、断言します。正しい方向で「実務スキル」さえ磨けば、年齢に関係なくWeb制作で稼ぐことは可能です。

むしろ、人生経験を積んだ大人だからこそ勝てる戦い方があります。 今回は、現役のWeb制作会社であり、多くの「稼げるクリエイター」を育成してきた視点から、未経験者が最短でプロになるためのロードマップを、一切の綺麗事抜きで解説します。


Lalabyte 編集部
Lalabyte 編集部
はじめてでもやさしいIT屋さん

SE・Web制作・SEOを経て独立。現在は老舗商社のDX統括も兼務しながら、自身の事業として「HP制作」「マーケティング支援」「DXコンサル」「スキル教育」を展開しています。制作と発注の両面を知る強みを活かし、コードと数字を武器に、売上と効率を最大化する「事業を動かす仕組み」を提供します。

1. 「勉強」と「実務」の決定的な違い

多くの未経験者が稼げない最大の理由は、「勉強」をしてしまっているからです。

スクールのカリキュラムを終え、教科書通りの綺麗なコードが書けるようになった。架空のカフェのサイトをおしゃれに作れるようになった。 これはあくまで「お勉強」が終わった段階にすぎません。

現場で求められる「実務」とは、全く別の能力です。

クライアントは「コード」にお金を払わない

お客様(クライアント)がお金を払うのは、HTMLやCSSのコードそのものではありません。 「集客を増やしたい」「採用の応募が欲しい」「業務を効率化したい」という課題を解決することに対価を支払います。

  • 勉強: デザインカンプ通りに、1ピクセルのズレもなくコーディングすること。
  • 実務: 「このデザインだとスマホで見た時にボタンが押しにくいので、配置を変えましょう」と提案し、実装すること。

この**「提案視点」**を持てるかどうかが、稼げる人と稼げない人の分水嶺です。

「100点」ではなく「納期と品質のバランス」

独学やスクールでは、時間をかけて「100点満点」の作品を作ることが良しとされます。 しかし実務では、**「80点のものを、約束した納期の半分で提出し、残りの時間で修正とブラッシュアップを行う」**スピード感が求められます。

何時間も悩んで美しいコードを書くよりも、既存のテンプレートやライブラリをうまく活用(1→100)し、素早く形にする能力。これが現場のリアルです。


2. 「年齢の壁」の正体と突破法

「未経験からの転職は35歳まで」 Web業界でよく囁かれるこの噂は、半分本当で、半分嘘です。

採用市場では確かに「壁」はある

制作会社が未経験者を採用する場合、ポテンシャル(伸び代)と素直さを重視するため、給与の安い20代が有利なのは事実です。ここと同じ土俵で戦おうとすると、30代・40代は苦戦を強いられます。

「即戦力」としてのフリーランス・副業なら関係ない

一方で、クライアントとして発注する側(中小企業の社長や、制作会社のディレクター)からすれば、**「ちゃんと成果物を出してくれるなら、相手が何歳でも関係ない」**のが本音です。

むしろ、社会人経験のない若手クリエイターにありがちな「連絡が遅い」「敬語が怪しい」「納期を守れない」といったトラブルを恐れる発注者は多いため、一般的なビジネススキルが身についている30代・40代は、それだけで信頼のアドバンテージがあります。

年齢の壁を超える唯一の方法。 それは、「育ててもらう枠(ポテンシャル)」を狙うのではなく、「最初からビジネスパートナー(即戦力)」として振る舞うことです。


3. 稼ぐために必要な3つの「真の実務スキル」

では、即戦力として認められるための「実務スキル」とは具体的に何を指すのでしょうか? Photoshopの操作やHTMLの暗記ではありません。以下の3つです。

① 0から生み出すのではなく「分析・模倣」する力

初心者が最も陥りやすい罠が、「オリジナリティのあるデザインを作ろう」としてしまうことです。 デザインには、人間が心地よいと感じる「ルール」や「セオリー」があります。それを無視したオリジナリティは、ただの「使いにくいサイト」です。

プロのデザイナーほど、**「徹底的なパクリ(模倣)」**から入ります。 もちろん著作権を侵害するという意味ではありません。

  • 競合他社のサイトを100個見る。
  • なぜそのボタンがそこにあるのか?
  • なぜその色を使っているのか?
  • フォントサイズや余白は何ピクセルか?

これらを**「分析」し、良い要素を分解して、自分の制作物に「再構築」**する。 **「優れたものを真似て、自分のものにする力」**こそが、最短でプロレベルの品質を出すコツです。0から1を生み出すセンスは不要です。すでにある正解を分析するロジックを持ってください。

② 「1→100」の改善・拡張力

新規でWebサイトを立ち上げる(0→1)案件は、実はそこまで多くありません。 それよりも圧倒的に多いのが、「すでにあるサイトをリニューアルしたい」「スマホ対応させたい」「ページを追加したい」という「1→100」の案件です。

  • 他人が書いたコードを読み解く力
  • 崩れているレイアウトを修正する力
  • WordPressの既存テーマをカスタマイズする力

これらは地味ですが、現場では極めて重宝されます。 「真っ白なキャンバスに絵を描く」練習ではなく、「既存のサイトのコードをコピーして、色やレイアウトだけを変えてみる」練習をしてください。これが実務に直結します。

③ コミュニケーションコストを下げる力

制作会社の下請けとして仕事をする場合、最も嫌われるのは「指示待ち」と「察してちゃん」です。

  • 「ここはどうすればいいですか?」と丸投げするのではなく、「A案とB案がありますが、納期優先ならA案がおすすめです。どうしますか?」と聞く。
  • チャットの返信は即レスする。
  • 専門用語を使わず、相手に伝わる言葉で説明する。

これらは技術以前の問題ですが、「この人仕事がしやすいな」と思わせる力こそが、継続案件を獲得する最強のスキルです。


4. 独学・スクールでは教えてくれない「環境構築」の重要性

技術的な話も少ししましょう。 初心者が案件を受けて最初に躓くのが、**「本番環境へのアップロード」「サーバー・ドメイン周り」**です。

スクールでは、用意された環境でコードを書くだけだったり、自分のPC内(ローカル環境)だけで完結したりすることが多いでしょう。しかし実務では、以下のような作業が必須となります。

  • FTPソフトを使ったファイルの転送
  • ベーシック認証の設定(制作中に他人に見られないようにする)
  • サーバーのPHPバージョンの確認
  • お問い合わせフォームのメール送信テスト(SMTP設定など)
  • WordPressの引越し作業

これらは、実際にやってみてエラーを出して冷や汗をかかないと身につきません。 自分のポートフォリオサイトを作る際は、必ず**「自分でサーバーを契約し、ドメインを取得して、世界中に公開する」**ところまでやってください。 「サイトが表示されない!」「メールが届かない!」というトラブルシューティングの経験数だけ、プロとしての筋肉がつきます。


5. 年齢の壁を超えるための学習ロードマップ

未経験から最短で「稼げるWeb制作者」になるための具体的なステップを提案します。

STEP 1:徹底的な写経(トレース)

参考書を読む時間は最小限にしてください。 世の中にある「良いサイト」のスクリーンショットを撮り、デザインツール(FigmaやAdobe XD)でその上に画像を重ね、なぞってください。 「余白はこれくらい空けるのか」「文字サイズはこれくらいか」というプロの間隔を脳と手に染み込ませます。これを最低10サイト行います。

STEP 2:模写コーディング(レスポンシブ対応)

トレースしたデザイン、またはネット上で公開されている既存サイトを、HTML/CSSで全く同じ見た目になるように再現します。 この時、必ず**「スマートフォン表示(レスポンシブ)」**まで作り込んでください。PC表示だけなら誰でもできますが、実務のバグの8割はスマホ表示で起きます。

STEP 3:WordPress(CMS)の習得

静的なHTMLサイトを作れるようになったら、すぐにWordPressの学習に入ってください。 世の中のWebサイトの4割以上、中小企業の案件に限ればさらに高い割合でWordPressが使われています。

  • オリジナルテーマの作成
  • 既存テーマのカスタマイズ
  • 「お知らせ」や「実績」をお客様自身で更新できる機能の実装

ここまでできれば、案件の単価は一気に跳ね上がります。

STEP 4:架空サイトではなく「モニター案件」をこなす

ポートフォリオに「スクールの課題で作ったカフェのサイト」を載せているうちは、プロとは呼べません。 知人の店、近所のサークル、何でも構いません。**「無料でいいから作らせてください」**と頼み込み、実在するクライアントのサイトを作ってください。

  • 相手の要望を聞き取る(ヒアリング)
  • 素材を用意してもらう
  • 修正のやり取りをする
  • 公開して感謝される(あるいは文句を言われる)

この**「生身の人間とのやり取り」の経験**が1件でもあるポートフォリオは、スクールの課題が10個並んでいるポートフォリオよりも、採用担当者の目に輝いて映ります。


6. まとめ:あなたは「誰の」右腕になるか

Web制作のスキルを身につけた先に待っているのは、一人で全てをこなす孤独なフリーランスの道だけではありません。

私がおすすめするのは、**「制作会社の右腕」「忙しいディレクターの右腕」**になるというポジションです。

Web制作業界は常に人手不足です。特に「猫の手も借りたい」ほど忙しい現場では、天才的なデザイナーではなく、**「言ったことを確実に、素早く形にしてくれる、コミュニケーションの取れる人」**が喉から手が出るほど求められています。

  • 0→1のクリエイティブな発想は苦手でもいい。
  • その代わり、1→100の実直な作業と改善なら誰にも負けない。
  • 分析と模倣で、要求されたクオリティを最速で出す。

このスタンスを確立できれば、年齢など関係なく、あなたはどこへ行っても重宝される人材になれます。

「Web制作は、才能ではなく、ロジックと経験の積み重ね」

もし、独学での習得に限界を感じているなら、あるいは「実務レベル」の基準がわからず不安なら、一度プロの現場を覗きに来てください。 Lalabyteでは、単なるツールの使い方だけでなく、こうした**「現場で生き残るための実務スキル」「稼ぐためのマインドセット」**を徹底的に伴走してお伝えしています。

あなたの過去のキャリア(人生経験)と、Webスキルを掛け合わせ、新しい武器を手に入れましょう。 遅すぎるということは、決してありません。


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