乗っ取られたドメインを「捨てた」理由 | 実データに基づく決断

Lalabyte 編集部
Lalabyte 編集部
はじめてでもやさしいIT屋さん

SE・Web制作・SEOを経て独立。現在は老舗商社のDX統括も兼務しながら、自身の事業として「HP制作」「マーケティング支援」「DXコンサル」「スキル教育」を展開しています。制作と発注の両面を知る強みを活かし、コードと数字を武器に、売上と効率を最大化する「事業を動かす仕組み」を提供します。

結論:今回は「評価を引き継がない」が最適解だった

結論から書きます。

不正アクセスによってクロールバジェットが破壊されたドメインは、
評価を引き継がず、新ドメインでクリーンスタートする判断を取りました。

これは感情的な判断ではなく、
Search Consoleの実データを確認した上での意思決定です。

本記事では、
「侵入された」という事実よりも、
その後にどんな選択肢を検討し、なぜこの判断に至ったのかを整理しています。


侵入後に起きていたこと(事実整理)

侵入発覚後、Search Consoleを中心に確認したところ、
以下の問題が明確になっていました。

・不正URLの大量生成
・正規ページ以外へのクロール集中
・クロールの統計情報が不安定
・インデックス登録の遅延

実務的に見ると、次のような状態でした。

項目状況
クロール先ゴミURLが優先される
正規URL後回し・未評価
バジェット無駄遣い状態
改善見込み不透明

この時点で、
「直せば元に戻る」と楽観できる状況ではありませんでした。


当時検討した選択肢は3つ

侵入後、現実的に検討した選択肢は次の3つです。

選択肢内容
延命既存ドメインで不正URLを潰し続ける
301移転評価を引き継いで新ドメインへ
切り捨て評価を引き継がず再スタート

どれも一長一短があり、
正解が決まっている話ではありません。


なぜ「評価を引き継がない」を選んだのか

最終的に切り捨てを選んだ理由は、以下の通りです。

・クロールバジェットが完全に汚染されていた
・正規URLが評価対象として扱われていなかった
・回復までの工数と時間が見合わなかった
・今後、コンテンツを積み上げる前提だった
・AIO時代は「過去の評価」より「判断ログ」が残ると考えた

過去を守るコストより、
これから積み上げるコストの方が明確だった、という判断です。


実際どう変わったか(新ドメイン移行後)

ドメインを切り替えた後、
クロールの初動は明らかに違いました。

指標旧ドメイン新ドメイン
クロール初動不安定安定
正規URL率低い高い
インデックス速度遅い早い
バジェット浪費ありほぼなし

Search Console上でも、
「ちゃんと読みに来ている」挙動が確認できています。


パフォーマンス面の実測(補足)

Microsoft ClarityおよびPageSpeed Insightsで、
実ユーザー体験も確認しました。

・ClarityではLCP/INP/CLSともに良好
・PageSpeed Insightsはやや厳しめだが、実利用上は問題なし

切り捨てただけでなく、
構造とパフォーマンスの見直しも同時に行っています。


あえて「やらなかったこと」

今回、次の対応は意図的に行っていません。

・無理な301リダイレクト
・不正URL削除だけでの延命
・インデックス登録リクエストの連打
・国別ブロックなどの過剰対策

やること以上に、
やらない判断が重要だったと感じています。


この判断が向いているケース/向いていないケース

【向いているケース】

・中小規模サイト
・今後コンテンツを積み上げる予定がある
・被リンク資産が限定的
・バジェット浪費が深刻

【向いていないケース】

・大規模メディア
・被リンク評価が圧倒的に強い
・事業的にドメイン変更が不可能


判断用チェックリスト

  • ゴミURLが大量にある
  • 正規URLがクロールされない
  • 回復に半年以上かかりそう
  • 今後の記事投入量が多い

Yesが多い場合、
切り捨ても現実的な選択肢になります。


最後に

正直なところ、
今回のようなトラブルがいきなりクライアント案件だったらと思うとゾッとします。

今回はたまたま自社サイトだったので、

・判断を急げた
・評価を切る決断もできた
・ついでに構造やパフォーマンスまで見直せた

という意味では、
不幸中の幸いだったとも感じています。

ドメイン侵入やSEOトラブルは、
技術的な問題以上に
「どの選択肢を、どのタイミングで取るか」が結果を左右します。

もし、

・これ、切るべきか? 延命すべきか?
・SEO的にどの判断が正解か分からない
・誰にも相談できず、手が止まっている

そんな状況であれば、
壁打ち相手としての相談ならいつでもお受けできます。

※ 復旧業者・申請代行ではありません
※ 作業の請負ではなく、状況整理と判断支援が中心です

必要な方だけ、どうぞ。